洞窟の復讐俺は、影の軍団の幹部、ザルド。毎回、あの生意気な魔法戦士ゆなちゃんにやられちまった。フリフリ衣装に身を包んだ小娘が、キラキラの魔法で俺の部下どもを一掃し、俺のプライドをズタズタに引き裂く。あの笑顔、あの軽蔑の視線……。何度も何度も、土下座寸前まで追い込まれ、辛うじて逃げ延びてきた恨み。もう我慢の限界だ。今回こそ、違う。俺は慎重に罠を張った。古い山岳地帯の奥深く、湿った洞窟を舞台に選んだ。外から見ればただの岩肌だが、中は俺の結界で封鎖済み。ゆなちゃんの魔法が通じにくい、闇の結晶が埋め込まれた迷宮だ。やつの仲間は全員、偽の情報を餌に別の場所へ誘導した。今日はお前一人、ゆなちゃん。夕暮れ時、やつはいつものように俺の残党を追って洞窟に飛び込んできた。ピンクのブーツが岩肌を叩く音が、響き渡る。「出てきなさい、ザルド! また卑怯な手を使ってるんでしょう? 私の魔法で、全部浄化してあげるわ!」ふん、相変わらずの生意気さだ。俺は闇の霧を操り、入口を塞いだ。ゆなちゃんの周囲に、黒い触手のような影が這い寄る。やつの変身ポーズが、焦りで崩れかかる。「な、何これ……魔法が、効かない!?」そうだよ、小娘。俺の新兵器だ。この洞窟の闇結晶が、お前のマナを吸い取ってる。やつの小さな体が、震え始める。「いつもみたいに跳ね回れねえだろ?」 俺はゆっくりと姿を現した。黒いマントを翻し、鋭い爪を光らせて。「よう、ゆなちゃん。毎回、俺を踏み台にしてヒーロー気取りか? 今日はお返しだ。日頃の恨み、全部この体に刻み込んでやるよ。」